「直接殴ってはいないが、人を転ばそうと物を投げてしまった。」
「暴行に当たる行為はどのようなものか。」
刑法上の暴行とはどのような行為を指すのか知りたい方へ。
刑法で「暴行」という用語が出てくる場合、場面に応じて意味に違いがありますが、接触を伴わない物理力の行使含みます。
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Q 刑法上の「暴行」とは、具体的にどのような意味ですか?
刑法上、「暴行」という用語は、様々な使われ方をします。以下の表のとおり、意味の広狭に応じて、4種類の意味があります。
刑法上の暴行罪は、このうち、狭義の意味を持ち、人の身体に対する直接的な有形力の行使と定義されます。
分類 | 意味 | 犯罪例 |
---|---|---|
最広義 | 全ての有形力の行使(物に対するものも含む。) | 騒乱罪 |
広義 | 直接・間接を問わず、人に向けられた有形力の行使 | 公務執行妨害罪 |
狭義 | 人の身体に対する直接的な有形力の行使 | 暴行罪 |
最狭義 | 人の身体に対する反抗を抑圧するに足りる有形力の行使 | 強盗罪 強制性交等罪 強制わいせつ罪 |
Q 相手の体に接触しなければ暴行罪には当たらないのですか?
暴行罪にいう「暴行」は、必ずしも身体への接触を伴う必要はなく、接触を伴わない物理力の行使や、それ以外の音・光・電気・熱などのエネルギー作用を及ぼす場合も含みます。分類ごとの具体例は下表のとおりです。
身体への接触を伴う物理力の行使 | 殴る、蹴る、突く、押す、投げ飛ばす |
身体への接触を伴わない物理力の行使 | ●人の数歩手前を狙って石を投げる行為 ●狭い部屋で日本刀を振り回す行為 ●フォークリフトを接近させる行為 |
物理力以外のエネルギー作用を及ぼすもの | 耳元で拡声器を使用して大声を発する行為 |
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