「相手が先に逆ギレしてきたのに、相手はこちらが勝手に殴ってきたと話している」「被害者の言い分とこちら側の主張が違う…」
暴行の証拠が薄く、被害者と被疑者の主張が食い違っておりお困りの方へ。暴行に関する主な証拠は被害者の供述です。被害者と言い分が食い違っている場合の対応について解説します。
暴行事件に強い弁護士に相談して、事件を早期解決しましょう。
Q 暴行の証拠にはどのようなものがありますか?
暴行の証拠は、大きく分けて客観証拠と供述証拠に区別することができます。暴行について客観証拠があり、被害者の供述と合致していれば、原則として暴行の事実の立証としては十分であるといえます。
暴行で被害者が怪我をしていない場合には、防犯カメラや録音データがない限り、客観証拠はありませんので、供述証拠だけが暴行の証拠になります。怪我がない暴行事件のほとんどが、供述証拠以外に客観証拠が乏しいといえます。
ただし、暴行時に周囲に第三者がいた場合に、第三者の目撃証言があれば、第三者が虚偽の供述をする危険性がない限りは、信用性のある証拠として認められる可能性が高いです。
一方、加害者が暴行を否認し、被害者の供述が唯一の証拠である場合には、証拠の構造としては脆弱であるといえます。
客観証拠 | ● 怪我の状況 ● 診断書 ● 防犯カメラの映像 ● 会話の録音データ |
供述証拠 | ● 被害者の証言(被害届) ● 第三者の目撃証言 ● 加害者の自白 |
Q 暴行事件について被害者と言い分が食い違っている場合はどうすればいいですか?
暴行事件について、被害者の言い分と食い違いがあり、暴行の事実自体が疑わしい場合でも、捜査機関は、被害者の供述内容に沿って誘導してくる場合があります。
そのような場合でも、記憶と異なる供述はせずに、捜査官に迎合しないように注意する必要があります。
暴行事件は、被害者の供述だけでも立件されやすいため、冤罪事件が起きやすい犯罪類型の一つです。自力で対応することには一定の限界がありますので、このような事態に陥った際は、早期に刑事事件に強い弁護士にご相談ください。