「暴行の被害者から示談金を請求されているが妥当な金額が知りたい…」
暴行事件の示談金について知りたい方へ。
示談金には、一般的な相場というものはありません。ただし、被害者の方と示談が成立した場合、不起訴になって前科が付かなくなることが多いです。したがって、暴行事件では、示談交渉に向けた早期の弁護活動が重要となります。
このページでは暴行事件の示談金について説明します。
Q.示談金の対象は、どのような被害(損害)に対してですか?
暴行の示談金の対象は、暴力行為を受けたことによる精神的苦痛となります。
精神的苦痛と言うと、多少、分かりにくいかもしれません。たとえば、胸ぐらをつかまれて振り回された場合では、痛みもありますし、恐怖もあります。また、屈辱を味わうこともあります。このような精神的苦痛(慰謝料)が、示談金の対象となります。
なお、つばを被害者の服に吐くなどの暴行であれば、服のクリーニング代なども示談金の対象となります。
Q.どのくらいの示談金を支払えば良いのですか?
どのくらいの示談金を支払えば良いかは、暴行の程度や経緯などによります。また、示談で解決しようとするのであれば、被害者の意向も大きなウェイトを持ちます。
暴行は、傷害を発生させないような程度の暴力行為です。そのため、治療費や痛み等の精神的苦痛が少なく、示談金としては、0円から20万円前後となるケースが多いです。
暴行罪では、通常、傷害が発生しませんので、治療費等がかかるケースは少ないです。
また、被害者が受けた精神的苦痛も、加害者が誠実に謝罪することで、かなり緩和されることが多くあります。そのため、謝罪をすることが重要です。謝罪だけで示談が済み、金銭の賠償は不要となった事件も多くあります。
Q.どのような事情があれば、示談金は高くなりますか?
一口に暴行と言っても、経緯も程度も異なりますので、その経緯、程度によって示談金は高くなります。
たとえば、被害者に対する「いじめ」が日常茶飯事に行われている状況で、暴行が行われたような場合には、これまでの「いじめ」分も加算する形で、示談金は高くなる傾向があります。
また、被害者の子どもが見ている前での暴行や、侮辱を加えた経緯等があれば、示談金は高くなる傾向があります。
さらに、傷害を負わす程度にまではならなかったものの、殴る、蹴る、髪を引っ張るなどの暴行の態様が執拗であった場合などでは、示談金は高くなる傾向があります。
他方、たとえば、被害者に落ち度がある場合、たとえば、被害者による挑発行為があったケースなどでは、暴行の示談金は低くなる傾向があります。
示談金が高くなる | 示談金が低くなる |
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暴行が ・日常的に繰り返される ・被害者の子どもや家族の前で行われる ・執拗に行われる | ・謝罪により被害者の精神的苦痛が緩和される。 ・被害者に落ち度がある。 |